ロレックスの腕時計「ヨットマスター 42」を初チタンで試着、黒の静かな存在感に惹かれた理由
ロレックス(ROLEX)の「オイスター パーペチュアル ヨットマスター 42」に、2023年秋発売予定の新作が加わります。話題の中心は、このシリーズで初めてチタンを採用した点です。ブティックで実機に触れる機会があったので、服に合わせたときの印象や素材の手応えを、一個人の感想として書き残します。写真だけで判断していた頃の自分には、ぜひ読ませたい内容です。
軽さに驚く、ロレックス初のチタン製ヨットマスター
ヨットマスターは1992年に、航海士やスキッパーに向けて発表されたシリーズです。60分目盛り入りのベゼルが目印で、海の道具としての出自を今も感じさせます。ただ、これまで私は「金属の塊のような重厚さが魅力」というイメージを持っていました。だからこそ、実機を手首に乗せた瞬間の軽さは衝撃でした。思わず「あれ、本当にロレックス?」と声が出たほどです。
この軽さの理由が、RLXチタンです。ロレックスが厳選して採用するグレード5のチタン合金で、軽量なうえに機械的な強度と耐蝕性も高いとされています。42mmというサイズは、数字だけ見ると大きめに思えますが、軽いので腕への負担がほとんどありません。一日着けて歩き回っても、ふと時計の存在を忘れる瞬間があるくらいでした。これは長時間つける人には大きな利点だと思います。
見た目でまず気づいたのは、ステンレスとは違う色味です。銀というより、わずかに落ち着いた灰色を帯びていて、光を柔らかく吸い込むような質感があります。ベゼルは両方向回転式で、レイズドポリッシュ仕上げの数字と目盛りが、マットブラックのセラクロムインサートの上で静かに光ります。ダイアルはサテン仕上げのブラック。全体が黒とグレーでまとまっているので、派手さはなく、大人の落ち着きがあります。
コーディネートでいえば、この時計は「黒を着る日」に最も映えると感じました。黒のニットにグレーのスラックスを合わせると、時計が服の一部のように溶け込みます。逆に白いTシャツにデニムの休日スタイルでは、軽さと相まってカジュアルに寄り添ってくれます。オンとオフを選ばないのは、毎日つけたい人にとって大きな魅力でしょう。ただし色が控えめなので、アクセントを求める人には物足りないかもしれません。
機能面も触れておきます。搭載されるのはキャリバー3235で、2019年のモデル発表時から使われているムーブメントです。日差は-2から+2秒、パワーリザーブは約70時間。金曜の夜に外して月曜の朝につけても、時刻が止まっていない余裕があります。新型ムーブメントではない点を物足りなく思う人もいそうですが、実績のある心臓部と考えれば、むしろ安心材料です。
ここで、他ブランドとも比べてみます。軽量素材のスポーツウォッチとして思い浮かぶのが、チューダーの「ブラックベイ」や、オメガの「シーマスター ダイバー300M」です。どちらも完成度が高く、価格はロレックスよりずっと現実的です。特にオメガはデザインの個性が強く、好みが合えば満足度は非常に高いはずです。一方で、ロレックスが厳選したグレード5チタンを使う点や、仕上げの均質さには、価格差を納得させる説得力があります。
もちろん、弱点も正直に書きます。まず、ステンレスのモデルに比べると、素材の特別感がひと目では伝わりにくいこと。次に、軽さを「安っぽい」と感じる人が一定数いるかもしれないことです。私自身は快適さを優先するので歓迎でしたが、重厚感を求める人は、必ず実機で確かめたほうがよいでしょう。ここは個人の好みが大きく分かれる部分です。
私の結論は、「軽くて黒い、毎日使えるロレックス」を探している人には強くおすすめできる、というものです。反対に、価格に対する見た目の華やかさを重視する人や、予算を最優先したい人には、他ブランドのほうが満足できる可能性があります。気になる方は、発売後に店頭で実際に手首へ乗せ、軽さを体感してみてください。その一瞬で、答えが出ると思います。


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