パジャマセットだけ急に本気。バーバリー×シュプリームで、いちばん気になった一着を正直に選ぶ

 コラボのラインナップを眺めていて、手が止まったのはボックスロゴのTシャツでも、チェック柄のスウェットでもなく、バーバリー店舗限定のパジャマセットだった。リュクスな雰囲気のシルク素材で仕立てられている、という一行を読んだ瞬間に、「ストリートのコラボでシルクのパジャマ」という組み合わせの意外さに引き込まれてしまったのだ。先にお断りしておくと、私は今回のコレクションを実際に見たことも、触ったことも、着たこともない。以下は公開された情報をもとにした想像と考察であり、体験談ではない。


まず、情報を整理しておく。バーバリーとシュプリームのコラボは今回が初めてで、発売は2022年3月12日(土)。東京のバーバリー 表参道と、シュプリーム各店で売られる。面白いのは、二つの店舗で扱うアイテムが違うことだ。バーバリー側はトラックジャケット、ジョギングパンツ、パジャマセット。シュプリーム側は、カーコート、シアリングカラーのパファージャケット、トラッカージャケット、ラグビートップ、ジーンズ、Tシャツ、スウェット、6パネルキャップ、スケートボードなど、かなり幅広い。




この「店舗で分ける」やり方は、買う側にとってはけっこう面倒だと思う。欲しいものがバーバリー側とシュプリーム側に分かれていたら、二か所を回らなければならない。でも、見方を変えると、それぞれのブランドの得意分野を尊重した配分にも見える。バーバリー側はリュクスで、部屋着にも使える柔らかいアイテム。シュプリーム側は、ストリートの王道。ただ、全体が一つのコレクションとして成立しているかどうかは、写真を並べて見ないと判断できない。


本題のパジャマセットに戻ろう。シルクという素材は、肌ざわりが良く、光沢があって、高級感の出る生地だ。ただ、一般的な性質として、水や汗のシミが出やすく、洗濯にも気を遣う素材でもある。ここは今回の原文にない、私の一般論だ。パジャマとして寝るときに着るなら、洗う頻度は高くなる。そのたびに手洗いやクリーニングが必要だとしたら、毎日のパジャマとしては、かなり贅沢な使い方になる。実際の洗濯表示や仕立ての詳細は書かれていないので、ここは確認したい点として置いておく。


もう一つ、私が気になるのは、このパジャマセットを「寝るために着る」のか「外で見せるために着る」のかという点だ。近ごろは、パジャマ風のセットアップを街で着る人も増えている。シルクの光沢があるなら、ジャケットのように羽織れる上着と、ゆったりしたパンツの組み合わせは、街着としても成立しそうだ。ただ、これも想像にすぎない。デザインの具体的な見た目が分からないので、もし派手な柄なら、部屋着に回すしかないだろう。


比較の相手を考えると、同じように「高級ブランドのシルクのパジャマ」を作っているブランドの存在が浮かぶ。たとえば、ラグジュアリーなパジャマを専門に扱うブランドなら、寝心地や縫製を第一に考えて作っているはずだ。一方、今回のコラボは、バーバリーとシュプリームという名前の掛け合わせが価値の中心にある。寝心地を最優先するなら専門ブランド、話題性とコレクションとしての面白さを取るならこちら。選ぶ軸はそこだと思う。




次に、シュプリーム側のアイテムについても少し。ボックスロゴやバーバリーのアイコニックなパターン、モチーフを織り交ぜたデザインだと説明されている。ここは正直、私にはあまり新鮮に感じられない。ボックスロゴは見慣れているし、バーバリーのチェックも、誰もが知っている柄だ。二つを混ぜると、確かに話題にはなる。でも、混ぜたものが美しいかどうかは別の話だ。柄が重なることで、うるさくなるリスクもある。TシャツやスウェットのようなシンプルなアイテムでこそDesignの真価が出る、と書きたいけれど、実際の配置が分からないので、保留にしておく。


カーコートとシアリングカラーのパファージャケットは、確実に目を引くアイテムだと思う。ただ、実用面で言うと、少し気になる。シアリングの襟は、暖かくて見た目も豪華だが、汚れやすく、手入れが難しい。パファージャケットは、軽くて温かい反面、形がふくらむので、体型によっては着ぶくれして見える。これは一般論として、どのブランドの同様の服にも言えることで、今回の商品がそうだと断定しているわけではない。ただ、買う前に試着は必須だと思う。


結論としては、私が一着だけ選ぶなら、パジャマセットだ。理由は、ストリートの文脈と、シルクの上質さが、いちばん意外な形で同居しているからだ。ただし、洗濯の手間や、価格が分からないことを考えると、「買うべき」とまでは言い切れない。日常で着倒す服ではなく、少し特別な時間に着る服として納得できる人にだけ、すすめたい。逆に、実用性重視の人は、トラックジャケットのほうが使いやすい可能性が高い。


ここまで書いて、想像の中の一場面が浮かんだ。休日の朝、カーテンの隙間から光が入る。シルクの上着を羽織って、コーヒーを淹れる。その光沢が朝日を受けて、少しだけ得をした気分になる。でも、その上着を着たまま近所のコンビニに行けるかと言われたら、きっと私は躊躇する。その躊躇が、この服の本当の値段なのかもしれない。

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